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再び、「練習はウソをつかない」

真剣な自分を信じたい

全てのゴルファーは、上手くなりたいと思っているはずなので、調子が悪い時は真剣に自分の悪いところを探し出し、何とかいいショットが打てるように、練習場で汗を流している、当然の光景だと思います。そして、何か上達する方法がないか、本とかDVDなどを見てヒントを探しているかもしれません。

練習する場所があるショップですので、色んな方が来られますが、練習している姿を見ていると、今その人が何を治したいのか、どのような打ち方をしたいのか、よく分かるときがあります。例えそれが間違っていると感じても、その人が「真剣」に練習に取り組んでいるときは、何も言わずに見ています。こういう事を恐らく10年以上も前からやっていると思いますが、良くない練習をしているなと感じた人が、2,3年ぐらい経ってから、「ボールが飛ばない」とか「スコアが悪い」とか、色々と悩み事を言われます。

「真剣」に練習している人を混乱させたくないし、また聞く状態にない人に何かを言っても、これも無駄なことになるでしょう。「練習の成果」は、1週間後や1ヶ月後ではなく、数年後に出てくるように思います。

下手になる練習

写真は長く使った私のパターで、イップスから抜け出すときから使い続けました。太陽の反射で見にくくなるのを避けるため、黒く塗ったり、長さを変えて沢山鉛を貼ったり、色んな事を試して、イップスから抜け出しました。

真剣に練習している人は、自分がよい方向に行くものであって、決して悪い方向に行くものとは思っていません。だから、今自分がやっている方法が最善であって、迷いがなければ他の話は耳に入らないかもしれません。しかし、ここに危険があるのでしょう。

自分の今のスイングを変えようと思っても、短時間で変わるものではありません。しかし気をつけたいことは、仕事などで練習がしばらく出来ないなど、自分が直そうと思ったことを忘れてしまったあとにも、身体がその動きを覚えていて、時間の経過と共に徐々にスイングが変わっていくことがあります。そして2、3年後になって、納得出来ないショットしか打てない自分に向き合わなければならない、そういうケースはよくあります。

ショットが良くなるのも、悪くなるのも全て自分がまいた種で、厳しい言い方ですが、「練習の成果」がでたと言うことになります。調子が悪くなった人が、元の状態に戻すということは、本当に大変な作業ですが、何とかチャレンジして下さい。


飛距離は生まれつきのもの?後編

プロ野球 王貞治氏の場合

プロ野球の最高のホームランバッターである「王貞治」氏について、少し考えてみましょう。18才でプロに入って、最初の3年間のホームランの数は、7本、17本、13本でした。そして次の3年間は38本、40本、55本で、10数年にわたって50本近いホームランを打ち続けたのですから、とんでもない選手だったわけです。このように途中から大きく変わって選手は希有で、技術の追求を考えるに当たり、注目すべきケースに思います。

そして、注目すべき事として、長い間ホームランを打ち続けたと言うことです。今まで、2、3年ぐらい沢山のホームランを打ったことがあるが、そのあと打てなくなった選手はかなりいます。怪我による体力の低下というケースもありますが、たいていの場合は「技術」を忘れてしまった、と私は考えます。何故なら、30才を少し過ぎたぐらいで、体力が落ちてボールが飛ばなくなったとは、考えにくいからです。

日本古来の武術を基本に

王貞治氏の昔の映像を見ると、日本刀の真剣を振っているものを見ることが出来ます。そして、その真剣でわらの束を切ったり、天井からぶら下がっている紙を切ったりしています。居合抜きの高段者に習ったそうなのですが、昔の武士が真剣を振るということは、闘うわけですから、凄い速さと正確さが要求される「技術」を身につけなければ、生き残れません。王貞治氏は、そういった技術を身につけたのです。

以前にここで紹介した王貞治氏の練習日誌を見ると、何度も素振りをして自分の動きを修正しています。身につけたつもりの技術でも、ある時忘れてしまうことは、ゴルフでも野球でも良くあることでしょう。長い期間にわたってホームランを打ち続けたとということは、どのような打ち方をすれば、ボールを正確に、かつ遠くに飛ばせるかを知っていると言うことです。「技術の本質」を知っているのです。

前にも述べましたが、「技術」は言葉や数字で全てを表すことは不可能と私は考えています。また「技術」を伝えるという作業は、長い時間が必要です。マスコミがゴルフを取り上げるようになり、簡単に身につく「技術」を紹介するようになって、本当の「技術」が埋もれてしまっているのが現状かもしれません。飛距離は生まれつきのものではなく、本当の技術を身につければかなり伸びると、私は信じています。


飛距離は生まれつきのもの? 前編

ずっと「飛ばし屋」でいられるか?

ゴルフや野球の世界で、「飛距離は生まれつきのもの」という言葉を、テレビの中の解説で喋る人を時々見かけます。このように話している人は、プロとしてゴルフや野球の世界で争ってきた人達なので、説得力があるように思えます。この人達の根拠としては、プロに入ってしばらくはたいしてホームランを打たなかったが、急にホームランを打つようになったとか、ツアーに参加しはじめたときは、飛距離は平均的だったのが、数年経った今年、急に飛距離が伸びて、飛距離部門のスタッツでは上位に行く、そのような選手を見たことがないので、飛距離は努力して伸ばすことは不可能で、神様から与えられたものなのです、と言う意見でしょう。

タイガー・ウッズのスタッツを見てみます。彼がツアーにフル参戦したのが1997年、21歳の時で飛距離が2位、その時の1位はジョン・デーリーです。このあと2002年まで見ると、ジョン・デーリーはずっと1位のままですが、タイガーは2位(1998)、3位(1999)、2位(2000)、4位(2001)、7位(2002)と飛距離が落ちてきました。タイガーはジョン・デーリーより9才若いので、飛距離の低下を体力面に持って行くことは出来ません。

「飛ばし屋」に戻れるか?

ジョン・デーリーがツアーに登場したときは、テレビカメラが彼のティーショットを捉えられないときがありました。彼のティーショットのボールの落下地点が他の人とあまりに違うからです。彼の飛距離は群を抜いており、30代半ば過ぎまで、1番の飛距離を維持していました。

では、タイガーは何故飛距離が落ちたのかというば、簡単に言うと飛ばない打ち方に変えた、それだけのことだと思います。「意識的に飛距離を抑えた」という人がいますが、グリーンの近くからショットしたほうが、ピンに寄りやすいはずなので、あえてグリーンの遠くからショットする意味はないのでは、と考えます。

タイガーはプロ転向直後から、ティーチングプロについてスイングを色々と研究(?)していました。プロ転向直後は、ジョン・デーリーと並んで、飛距離では多を圧倒していましたが、だんだん飛距離が落ちてきて、はっきりとは覚えていませんが(おそらく2005年か2006年頃)、前ほど飛距離が出ていないことを聞かれたとき、タイガーは道具が簡単になって、思いっきり振り回してもボールが飛ぶようになったので、多少技術がなくても飛距離は得ることが出来る、と弁解めいたことを言っていたことを記憶しています。

そのような弁解めいたことを口にすると言うことは、やはり距離を出したいと言う気持ちの表れではないでしょうか?デービス・ラブ3世やフレッド・カプルスは50代ですが、今でもかなりの距離を出します。ゴルフは野球に比べると、使う道具が軽いので50代でも飛距離が出しやすいのです。タイガーが飛距離を取り戻すか興味があるところですが、私の考えではまず無理と思います。