インサイドストレートの軌道は存在しない

ゴルファー同士の会話でよく耳にする言葉で、「ボールが曲がるのは、スウィングの軌道が良くないからだ。目標方向にまっすぐ振らなくてはいけない。」すなわち、インサイドストレートの軌道が、ボールをまっすぐに打つための唯一の方法であると・・・。


クラブヘッドの軌道は、スウィング中、円を描いていることは、人がボールを打つ時にスウィングを見ていれば分かることですが、インパクトの瞬間のクラブヘッドの動きは、肉眼では確認できないでしょう。


インパクトにおけるヘッドスピードは、一般アマチュアで時速140Km以上になります。プロなら、180Kmから200Kmに達することもあります。クラブヘッドの重量は、ドライバーで約200gありますから、アマチュアでもインパクトでの遠心力は,50Kg近くに達します。50Kgの遠心力が発生しているといわれても、ピンときませんが、トレーニングジムで50Kgのバーベルを持ち上げたことは、男性ならあるかもしてません(女性でもいるかもしれませんね。スピードスケートの大菅小百合選手は、スクワットで190Kgをあげていましたから)。


50Kgのバーベルを簡単に動かせないのと同様、50Kgの遠心力が発生しているクラブヘッドの動きの方向を変えるのは、頭で考えているより、大変な作業です。円運動をしているクラブヘッドの動きを、インパクトの瞬間にストレートに変えることは、私はできないことだと思います。


次は、きれいにインサイドインの軌道でボールを打った場合、どのような球筋になるかといえば、フック回転になりやすいでしょう。インパクトでのクラブヘッドのスピードは、ヒール側よりトゥ側の方が速いので、左回転のスピンになりやすいのです。プロのスウィングを近くで見ると、ややアウトサイドインの軌道で打っているように見えますが、見えるだけではなく、実際にそのように打っているプロが多いのです。少しカット気味に打つことで、フックスピンを減らしているのでしょう。



No,0005



アイアンのロフトについて

今回は、アイアンのロフト設定について考えましょう。最初に、2つの例を示します。

































*例1
番手 3 4 5 6 7 8 9 PW AW SW
ロフト 20 23 26 29 32 36 40 45 50 56
































*例2
番手 3 4 5 6 7 8 9 PW AW SW
ロフト 20 24 28 32 36 40 44 48 52 56


例1は、最近日本で売られているアイアンセットの、平均的な番手とロフトのスペックです。例2は、1970年ぐらいに売られていた、アメリカの製品のスペックです。この頃の特徴として、ウェッジは2本しかなく、また、番手間のロフトは、4度となっています。


ここで注目すべきことは、例1の8番アイアンのロフトが36度で、例2の6番アイアンのロフトも36度です。これは、ソールに刻印されている数字が、6か8といった単純な違いではないのです。両方の例は、ロングアイアンが20度から始まって、SWが56度で終わっています。しかし、例1のセットでは36度のクラブからSWまで5本なのに対し、例2のセットでは、6本になっています。その結果、以下のような大きな違いが生じます。


一般男性がロフト36度の8番アイアンでの飛距離は130から140ヤードぐらいでしょう。そして、平均的なアマチュアがピンに寄せられるの距離は、150から160ヤード以内ぐらいではないでしょうか。ですから、平均的アマチュアゴルファーにとって、ピンに寄せられる確率が高いのは、ウェッジやショートアイアインを使う時でしょう。


ピンに寄るとは、方向だけではなく、当然距離も合わなくてはなりません。例1のセットでは、36度のクラブからSWまで5本で距離を打ち分けるのに対して、例2では6本で打ち分けることになります。結果は、言うまでもないでしょう。次に、ロフトが32度と20度の間を見ると、例1は5本に対し、例2は4本です。長距離のショットで、グリーンに乗せることは大変なことです。ロングアイアンや、ミドルアイアンの本数がいくら多くても、実際に使い切ることは難しいのではないでしょうか?


私なら、迷わず例2のセットを選びます。



No,0004



クラブの重さについて

クラブのシャフトには、超軽量カーボンから、スティールまでさまざまな重量のものがあります。さらに、グリップも、30gの軽いものから、一般的な50gぐらいのものまで、バリエーション豊富です。ですから、超軽量のドライバーと、タイガーが使っているようなスティールシャフトのドライバーでは、振った感触には大きな差があります。


ここで重要なことは、軽いクラブと重いクラブを使い続けて場合、スウィングに変化が生じることです。人間はロボットと違うので、クラブの重さに対応して、体の使う箇所が変わってきます。例えば、バトミントンのラケットとテニスのラケットは、同じような形をしていますが、ラケットの重量はかなり違います。バトミントンのラケットは、手先で振りやすい重量ですが、テニスのラケットは重いため、全身を使った方が振りやすいでしょう。


では、バトミントンのラケットを、全身を使って振れるでしょうか?おそらく軽すぎて、振りにくいと思います。大きなパワーを出すためには、足腰を有効に使わなくてはならないので、フットワークを使いやすい、自分に適した重量のクラブがあるはずです。試打クラブなどを使用して、練習場で何発か打ってみたり、ランウドしてみると良いでしょう。重めのクラブを使用しても、意外と飛距離が落ちないことに気が付くことがよくあります。


お客様と接して思うことは、年齢を重ねてきて、距離が落ちてきた場合など、消極的になりすぎる傾向があります。「年を取ったから、もう軽いクラブしか振れない」ということで、どんどん軽いクラブに変えて、ますます、飛距離の低下を招いている人を見かけます。私の知っている人で、60歳を過ぎてから、練習にスティールシャフトのドライバーを使い、20ヤードほど飛距離を伸ばした方がみえます。あまり弱気にならないでください。


重いクラブのもう1つのメリットとして、方向性の向上が考えられます。肘から先は、人間の体の中で一番動きやすい部分ですが、この部分を多く使うことは、コントロールを害する恐れがあります。クラブの重さによって、手先の動き過ぎに制御を加えることが出来ます。自分にとって、一番良い重さのクラブを見つけてください。



No,0003