「健康」につながる飛距離アップ方法とは

筋力アップが、すぐに効果が出るか

筋力アップといえば、スポーツの競技能力を向上させるように感じますが、私は随分疑問に思います。最初の理由として、自分が結構ウエートトレーニングをやっていた時期が長く、ベンチプレスが105Kg、スクワットは170Kgまで挙げました。その頃は、LLサイズのシャツでも細く感じるほどで、見た目には力がありそうで、運動選手としても結構やりそうに見えたと思いますが、その頃を振り返ると、よく怪我をしたし、そんなに距離が伸びたわけでもありませんでした。今振り返ると、たいした選手ではありませんでした。

野球とゴルフの両面から考察してみます。華奢な高校生の男子でも、270~280ヤードぐらい飛ばす選手は大勢います。270~280ヤードと言えば、かなりの距離ですが、この高校生に硬式ボールでホームランを打ってみろ、といっても絶対に無理でしょう。

ゴルフボールは約46g、硬式ボールは約150gですので、使用する道具(バットやクラブ)はドライバーが300gちょっと、バットは900g以上あります。野球はゴルフに比べたら、かなりの身体の強さを要求されますので、ゴルフで飛ばすので、野球でも飛ばせるということにはなりません。

柔軟性

350ヤードを目指す人には、相当のトレーニングをしたほうが良いと思いますが、230~250ヤードを目指す人なら、早く効果が現れて、そして「健康」にもよい柔軟性を高める練習を奨めます。特に肩胛骨周辺の柔軟性を高める事をすすめます。身体を柔軟にすることは、血管なども柔らかくするそうで、血流がよくなることは、そのまま健康につながるでしょう。

ジュニアゴルファーのように身体を柔らかく使うことは無理にしても、出来る範囲で身体を柔らかくすることは出来ます。昔実験をしたことがありますが、ドライバーを数発打ってもらい、ヘッドスピードの平均を測ります。そして、肩胛骨を柔らかくする練習を5、6分行って、それからドライバーを数発打ってヘッドスピードを測ると、数人で実験しましたが、ほぼ全員でスピードアップしていました。

肩胛骨周辺を柔らかくするトレーニングをすると、肩の周りが軽くなって、気持ちの良さを感じると思います。そして、それが飛距離アップにつながれば、まさに一石二鳥といえます。「体幹」「筋トレ」がこの数年はやり言葉になっていますが、ゴルフで結果に結びつけようと思うなら、健康につながる方法を私は勧めます。



インパクトか、フォロースルーか

フロースルーを意識して、インパクトに集中出来るか?

フォロースルーを重視するレッスンはよく見かけますが、フォロースルーを意識することは大事なのか考えてみます。最初に、インパクトとフォロースルーのうち、どちらをより重視した方がよいのでしょうか?仕事柄、多くの人のスイングを見ますが、フォロースルーを速くとか、大きくフォロースルーを取ろうとする人によく見かけるのが、ひどいトップやダフリです。

よく使う説明ですが、金槌で釘を打つとき、釘に意識を置かなければ、きちっと釘は打てないはずです。インパクトに意識をおきながら、フォロースルーの動きもイメージする、と言われれば出来そうな気もしますが、ダウンスイングが始まれば、0.7秒や0.8秒後にはクラブヘッドはフィニッシュに到着しています。この僅かな時間に、インパクトとフォロースルーを同時に意識できるか、私には出来ないことです。

オンプレーン上にクラブを上げて、そしてオンプレーン上にクラブを降ろしてくる、そうすればボールは狙ったところに飛びます、と言っている人、そしてそれを聞いている人が持っている時間のイメージは、0コンマ何秒という非常に短い時間ではなく、数秒ぐらいのかなりゆっくりしたイメージを持っているように私は感じます。

「芯」を打つことが最高の技術

ボールの打ち方、つまりゴルフの技術で一番大事なものは、クラブの芯でボールを打つこと、私はそう思います。ゴルフを始めてしばらくたった頃には、そんなことを考えていなかったように思いますが、それでもそこそこのスコアは出ていました。これはよく言う「知っていることと、出来ることは全く別」ということで、無心でボールを打っているときは、結構芯でボールを打っていたと思います。その時には、「ボール打つ」ことしか考えていませんので、結果的に「よい打ち方」をしていたのです。

数年前、1メートルより短いパットを時々はずことがあり、その時はクラブヘッドの動きに意識がありました。フォロースルーでしっかりとヘッドが出ていないので、狙ったところにボールが出て行かないと信じていたので、ミスをする度にしっかりとヘッド出そうとしていました。人間というものは、思い込むとなかなかそこから考えを変えることが難しいようですが、ある時、芯に当たっていないパットが多かったので、芯に当たることに集中すると、ヘッドがインパクト直後に止まってしまう感じですが、結果はミスがかなり減りました。

その後、パッティングの上手いプロのストロークを見ていると、ヘッドがあまり出ていないことに気づき、今はインパクト後にヘッドが出ていないことが全く気にならなくなりました。


欠点も固まれば長所である、は真実か?

「オーソドックス」を目指せば、上達するか?

ゴルフのレッスン書や、DVDやテレビのレッスン番組を見てると、基本はこうであって、こうやってスイングして下さい、と説明しています。その様な内容のものを見たりすると、特に初心者の人は、何も分からないので、言われたことを忠実に守ることが上手くなる秘訣だと思うのは、自然なことで、かなりの割合の人が実践していると思います。

もし、写真のジョン・デーリーのように、トップオブスイングで大きく右脇が空いていたら、指導する人に治されるかもしれないし、右脇が空いているトップスイングで、ショットが曲がったとしたら、「右脇が空いているから、ショットが曲がるんだ」とアドバイスをする人は、山ほどいるでしょう。しかし、ミスショットの原因が右脇にあると指摘する人は、ジョン・デーリーに対しては絶対しないはずです。彼は、メジャートーナメントに2回も勝っているからでしょう。

私は良く思うのですが、もし誰かにアドバイスするときは、同じことをトッププロに対しても言えることで無ければ、それはすべきではないと考えています。自分より下手な人にはアドバイスできるけど、自分より上手い人には出来ない、というのは無責任な行動と思います。

プロの試合で何回も優勝している選手を、出来る限り偏りのない「眼」で見ると、結構「非オーソドックス」な打ち方をする人探すことは、さほど難しくないのでは、と思います。トッププレーヤーだからという先入観でスイングを見るから、「非オーソドックス」を見つけられないのでしょう

スポーツのやり方とは

人間の身体には、かなり個性があります。例えば脚をみても、内股の人もいれば、O脚の人もいます。関節の形も、かなり個人差があるようです。であるのに、決められた形に持って行こうとするのは、「個性」を無視した指導方法であり、偶然その方法に合った「個性」を持った人にのみが上達できるということになるのでしょう。つまり、多くの指導者は「個性」の認識が欠如しているようです。

「個性」の存在を認識できる指導者とは、「技術の本質」を深く理解していることが必要条件なのでしょう。写真のジョン・デーリーのスイングを見ると、当然ながらダウンスイングでは、右脇は空いていません。トッププレーヤーとしての、普通のダウンスイングです。彼のトップスイングとダウンスイングを比較すると、かなり違和感を覚えます。トップスイングは「非オーソドックス」なのに対して、ダウンスイングは「オーソドックス」だからです。

現在、普通に行われているレッスンは、「個性」を「矯正」して、自分の持っているパワーを最大限に発揮できないようなものが多いようです。打ち方でも、投げ方でも、「躍動感」を感じる動きが大事であると思います。スポーツは、楽しくやった方が良いに決まっているので、「個性」を重視して指導であり、練習方法であることが望ましいと私は考えます。